Column

VST-Synth、VST-effectのページは、話題のものでも自分で使わないものは一切取り上げません。反面、不具合履歴のようなページもありますが、それとは別に一言書きたくなるものや、製品のDEMO版など、あれこれと、ここで取り上げていこうと、付け足しました。

Massive(native-instruments.com)

製品版のVST-Synthでは、XP以前では動かないものが多いので、試すことも難しいのですが、これは動きました。
動けば何でも試してみるか、というと、そうではなく、やはり、時間ごとにノイズが入ったり、無音になるのは、試している間にストレスが溜まり、操作する意欲が失せます。そればかりか、ノイズは、製品に対して、悪い印象を植え付けるような洗脳効果が起り、マイナス効果だと思うのですが。
エフェクターなら、まだ、がまんできますが、シンセは、ある程度、時間をかけて音作りの操作が必要なので、デモ版を試すのも躊躇してしまいがちです。
最近は、メーカー側も解ってきたのか、ちょいと違った制限が増えてきたようです。このシンセは、保存・読み込みなどは、勿論だめですが、30分間は、機能制限なしで使えるというものです。セッティング等の記録は不可。
試用として、これは、なかなかよいです。30分もあれば、あれこれ試すことができ、シンセの特徴、効きなど、だいたい理解できます。
で、このシンセですが、育ちの良さみたいなものが、あります。質的な良さで、Filterの効きや、エフェクト類も、サウンドの旨味をよく出してくれます。フリーでは、なかなか、お目にかかれない類いでもあります。
しかし、こういった質の良さも絶対的なものではなく、アンサンブルの中に埋もれると、SynthEditとも区別がつかない、という場合もあり、如何に、そのシンセの特徴を掴んで、”ウリ”として表現するか等、それも使い手次第となります。
ギラギラした流行のサウンド狙いではなく、オールマイティで表現力を発揮しそうです。

Spectra C1

ノーマルなコンプで、DEMO版制限は30秒程で無音になるものです。何を今更というか、コンプはGranCompで不自由はないと思っていましたが、KVRを見て、デザイン良いな、落としてみるかと。で、この時EXEタイプだったら敬遠してたのですが、これはDLLが、そのまま入っていたので試したみたわけです。
実際に音を出してみて、コンプでの音と質に驚かされました。今まで集めていた、他のコンプとも比較しましたが、圧縮（comp）された音の粒立ちというか、太さというか、かないません。これだとマキシマイザーなんて、まずいらないでしょう。それ以前に、音の質感の違いに驚かされます。
どんな音を欲しているか、という音のデザインが明確に設計されているのでしょう。他のツマミ類をさわっても、その効果が的確で、音の変化が手にとるように理解できるのです。
フリーのコンプでは、同じような名称のツマミであっても、何かあやふやなところがあるし、効きの範囲もマチマチ。
結局のところ、最終的に”音”なのですが、明確に目的とする音を探りあてる、という意味でも、コンプの役割を再認識せざるを得ない、という事になりそうです。

FRANTIC FILTERS

きっかけとなったのが、FRANTIC FILTERS というもので、製品版のFilterです。このDEMO版を試してみました。
デモなのに登録しないとダメというのが多いですが、これは簡易に落とせます。制限は5分ほどでeffectが機能しなくなること。つまり、Bypassされ、原音となります。一度、VSTから外し、もう一度起動すると、また、5分のカウントが始まるという仕組みのようです。いやなノイズや無音状態になるより印象が良いです。

それが取り上げる理由ではなく、やはり、その音です。Filterとしての”質”が抜群に良いのです。Filterは、その動きによっても面白い効果がありますが、何といっても質感が命。絞っても絞っても旨味のあるとでも言うか、この効きが並じゃないのです。
自分が、いつも設定しているポイントをNaiveLPFと比べたら、ほゞ同じ。区別がつかないぐらいで、NaiveLPFに改めて感心しますが、前後の絞りでは、まったく歯がたちません。それだけ、良いポイントが多いのですね。
意地でもフリーソフトを、という気持ちを崩すには、ちと高価なので買うまではいきませんが、Filterは、まだまだ奥が深いなあと、今後のフリーソフトにも期待したいところです。（2007年5月7日）