EQ(イコライザー)は最も多用するエフェクト。このEQの実際の使用は、曲を作り始める段階で、まずEQを、なんてことは少なくて、作っている最中に、あれこれ加工するというのが多い。
一番使う頻度が多いのがEQ18。下で何度も書いているが、このバンド数ぐらいが操作しやすいというのは、元に戻す事も重要な要因で、何度も試行錯誤を重ねる上での操作性と的確さ。ラインを描くようなものは、自由度は大きいけど、元に戻すのは不便。
次にSir_Elliot31-Bandだけど、これはhighより専門で重宝する。
注意点としては、あれこれ操作して、フェーダーを動かしていると、微妙に上下したものが、聴感上ではあまり差のないように感じるのだけど、後で確認すると、けっこう変化していること。一度設定したら、VSTをOFFにして原音との差を確かめることが大事。
Convolution
Reverbは別ページにて。/一部OSによる起動不可の問題
Sir
Elliot氏、日本のblogまで作られたようです。自動翻訳みたいだけど。さて、新作は11バンドGEQ。
心配した遅れもなく、これが欲しかったのだよ、という優れものを作ってくれました。EQは如何に使い勝手が良く、的確に求めた音を得られるかが大事。11バンドという数は調整しやすいし、やや、マウス幅を要しますが微細な動きとして良好です。
他のEQとの比較で、音質の違いは、あまり感じませんが、バーの操作での変化具合は、それぞれ違うので、目的に合ったものを使うと良いでしょう。また、bx_cleansweepのようなフィルターとの使い分けをすれば、色々と便利です。
昨年(2010)に出たものですが、MEでは動かなかったので遅ればせながら紹介します。
純正品の3 band Equalizerです。 Low, Mid,
Highというシンプルなものです。
実際、起動して変化をみると、大きな変化というより微調整、GUIや、その効果はbootsyを思わせるものがあります。
また、EQとは別にローパス・ハイパスも付いていて、調整範囲を広げてくれているのも嬉しいところ。
デザインと操作性は抜群ですね。GUI design by Scott
Kane、と表示がありますが、サイトをみるとu-heなども手がけているようです。
個人的な使用感としては、マスターではなく、個別トラックでの修正。それも、いくつかのトラックをまとめて、何らかの修正がしたい場合です。
わりと多い例が、音数、トラック数が増えていく過程で、全体としてみると、このトラックの低域を何とかしたい、或いは、高域は別なトラックに任せるので、ここでは抑えたいなどです。こういったケースではグラフィックEQよりも使い易いのです。
下記TEST
SOUNDですが、オリジナルより良くなるという使い方ではなく、サウンドの変化をみるためのものです。
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オリジナルサウンド 音量的には余裕のあるもので、音数も少ない状態。 |
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全体をブースト SonEQで低中高と若干上げています。テストだから派手に上げるのではなく、実用範囲。 |
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全体ブーストから中域をカット 上記設定から中域を低く抑えたもの。音を聞くとはっきり違いが解りますが、波形では意外に違いが少ないです。 |
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オリジナルから低域をカット 元のサウンドから低域を抑えると、波形は一気に細くなります。 |
こちらは国産のLinear Phase
EQで、やや古いものですが、今回改めて起動して、なかなか良い感じでした。
シンプルな構造で、マニュアルいらずに思えてしまいますが、気をつけないといけないのは、波形表示の左がわdb表示蘭をクリックすると段階的に増減される事。スイッチのような表示はないので、これを知っておかないと困ります。
操作はマウスで描けるのでFiltrate
LEに比べ格段に楽ですが、61バンドもあるので、微調整という点では辛いところ。
マウス右クリックで、バンド幅による曲線が描けるので、これを使えば便利です。操作的には慣れが必要かもしれません。
覚えておくと便利なのは、(ctrl+右クリック)で 0 dB に戻ること。
”マスタリング用ビルド版はCPU負荷3倍、その代わりEQの精度も3倍”ということなので、マスタリング版を使いました。
位相による歪みが少ないというLinear Phase
EQ。若干遅れがでるので、個別トラックでは使い辛いところです。
Linear
Phaseとしての音質は良いのですが、操作が煩雑です。マウスによる波形変更はできず、それぞれのノブを操作して曲線を求めることになります。また、5バンドなのですが、それぞれ個別指定になるので、複数の個所を操作しようとすると面倒ですが、それぞれ固定して、調整するのには良いのかもしれません。
Sir_Elliot31-Band Graphic Equaliser★
Sir Elliot新作は31バンドのGEQです。今回はno fixed
delayとなり、遅れ補正がなくなり使えるものとなりました。
SynthMakerですが、思ったほど重くもなく、再生中に操作しても動作が鈍くなるような事はありませんでした。ただ、複数起動だと分かりません。SynthMakerの重さは否定できないものがあるので、その辺は注意でしょう。
EQとしての効果は、とても良く、微調整としてはベストのものと思われます。
31バンドのEQは、18よりも高機能、上位版と単純に考えるのは禁物で、より細分化された帯域を上下するわけですから、バランスを崩す事も頭に入れておかないといけません。そのため、隣接する帯域も確認する必要があり、調整は繁雑となります。
それに対し、18バンドは、より、能動的にサウンドを変化しやすく、シンセ音の調整等で多く使う事になります。18バンドもno
fixed delayにしてほしいところ。
サイトには、もう一つSir Elliot Altered Dynamics Series
IIというのがあり、こちらはPara-EQとコンプの組合せ、コンプの使い勝手はイマイチだけど、Para-EQは良い感じです。
音質を補正するというEQではなく、動的に変化させるという目的でしょう。やはり複合エフェクトで、コンプやゲートが絡みます。つい、EQだけでも良いのにって思ったりして;
EQは32バンドもあり、マウスクリックで書けるので楽です。EQバーの下にあるのはパンで、帯域ごとに設定できます。妙な音になります;
複合的に別なエフェクトを設定してEQを動かすと、単体での加減と微妙に違って、音作りとしては興味深いものがあります。
Sir Elliot 18 Band Graphic Equaliser
Sir Elliot新作が出ました。18BandのGraphic
Equaliserです。GEQは18バンドというのが一番使いやすく、これ以上増えると設定が煩わしくなり、少ないと必要な音が得られないのです。
一つ問題があって、このEQをかけ、別トラックへ録音すると時間がズレてしまいます。遅れるのではなく逆に早く。
Fixed
Delayという記述があるので、補正したつもりなのでしょうけど、致命的な欠点となってしまいました。DAWとの相性も考えられますが、Cubaseなどは、ある程度頭合わせの補正があり、その範囲内では問題ないようなのです。Pro
Tools Freeでは確実に遅れましたが。
結果、このEQを通すと、音が若干前に移動してしまうことになり、これでは使えないなぁ、という感じなのです。
なかには遅れが出てしまうVSTもあるので、これを利用するというのも一つの手段?;
波形の表示も確認できて、EQとしての構造は申し分ないものですが、それが重さにも繋がり、SynthMakerの弱点を再確認してしまいます。最速のPC上なら問題ない動作かもしれませんが、負担が大きいという意味では変りありません。
特に、EQは再生しながらツマミを動かすのが普通なので、より大きく感じてしまうのです。
そういった事を除けば、とても良くできていて、同時にFilterとしての機能も持っているので、便利に使えます。
同タイプのReaFIR、遅延が起きて使えないという欠点がありますが、こちらは、そういった遅延は全くないので安心。
デザイン的には模様やロゴが煩く、もう少しシンプルにしてほしいところ。
パライコですが、ブラスサウンドを念頭において作られたようです。平均的ではありますが、解り易い配置で、ノブの動きが細かいのが特徴でしょうか。その分、マウス範囲が大きくなり、全体を捉えるより、部分的、微細な調整向きかもしれません。
SynthEdit製でパスするところでしたが、内部パーツの多くがC++で作られたという事で試用してみました。
グライコのように並んだ10バンドのパライコというのは珍しいです。効きも良く、周波数が数値で表示されるので、操作はしやすいですが、10バンド並んだ事で、グライコ的操作を連想すると、勝手は悪いです。グライコの良いところはバーの上下で周波数の流れば解るところですが、パライコは周波数帯を可変するのが特徴なので、一見して、どの周波数が上下されているのか解り辛いのです。それを、敢えて10バンド並べてみたのがNCL
EQの特徴ということになります。
どんな感じで使うかは使い手次第でしょう。デザインは優秀です。
さすがというか、要するに加減の問題でもあるのだろうけど、全体として、音作りの要素・試行錯誤が手際よく進む。
特定の周波数を上げ下げする過程で、原音の中にある何かを見つけるというのは大事。高域をちょいと抑えるとか、低域をブーストするとか、それだけではなく、質感を探り出す道具と言えそうです。
ただし、操作する上で、他の一般的パラEQに比べ、変化に対する馴れが必要です。
ヴォーカル用としてのEQ+ステレオ効果。Update 1.02
になり、GUIの色調が良くなりました。下はクリスマスヴァージョン。
ようやく挙動が分かり、当初思っていたよりシンプルにEQでした。
ステレオ効果は4bandでON/OFFできます。わりと派手に広がるステレオ効果があり、EQとあわせて、使いどころがありそうです。
TESTSOUNDはヴォーカルではありませんが、原音〜やや音量が下がったところからエフェクト音で、低域から上げていく過程、最後に、また原音。
TEST SOUND |
BootEQ(旧)
パラEQは、けっこう音質に個性が出ます。内部仕様や操作性・デザインによる暗示もあるでしょうけど、ちょっと触って、善し悪しが解るものです。んで、このパラEQですが、なかなか良い感触です。高・中・中・低という範囲も、音の何を操作したいのかが明確で、極端な幅ではなく、実用範囲で音を探すことができます。
Channel
Strips系は、見た目良いけどイマイチが多く、あまり使う気はないのだけど、良いものならシンプルで実用的。しかし、SynthMakerなのでメモリ的には注意か。
次はReaFIR、一見、EQのようですが、FFT based dynamics
processorという事で、周波数帯域を強調したり、抑えたりするもののようです。ある周波数領域を強調したい時、EQでやったりしますが、それより遥かにシャープで鋭い切れ込みになります。これには驚きました。こんなのが欲しかったのです。元来持っているサウンドの質を、根っこから変えてくれます。プログラム処理量が多いのだと思われますが、遅れが出るので注意。
↓の波形編集画面をみると、かなりズレが出ているのが分かります。
↓は最初が原音、その後、周波数ポイントを移動している様子です。
TEST SOUND(ReaFIR)
SynthEditではないというだけで、価値を認めてしまいそうですが、EQ(パライコ)は全体の補正というより能動的な音作りをすることが多く、それぞれ個性があります(使い手との相性という意味でも)。
このEQは、帯域やカーブを指定でき、効きも鋭いので、他と比べながら、試してみたいところです。
パライコです。久しぶりの掘り出し物かも。かなり良いです。上段に表われるラインとツマミの効きが、とてもよく分かり的確。
3段の内訳は上から、1.帯域のレベル、その音域を上げるか下げる、ですね。2.帯域設定、低域から高域まで自由に設定できます。3.解りやすくいうと、帯域の山を鋭角にするか、なだらかな傾斜にするか、というところ。
7バンドの、それぞれは、Lowcut, Lowshelf, Bandpass, Peak, Notch,
Highshelf, HighCut, Bypassに自由設定できるというのも便利です。
右クリックでメニューが出て、カラーの変更や、画面設定が可能です。
Ctrl、または、Shiftキーを押しながらツマミを回すと、微調整が可能なのも有り難いところです。あと、Ctrl+右クリックでリセット。
全体的な質感も良く、使い勝手の良さから、メイン候補でしょうか。
Electri-Q (posihfopit edition)
EQ、これはフリー版です。左クリックでポイントが作れ、右クリックでラインを描くと、それに近いポイントが設定されます。
Audacityでも、こういった形式でしたが、便利なものです。通常のバータイプのものは、”ここ”という点を探し、操作するのに対し、これは、全体のサウンドを掴みやすいのでは、と思います。
低域と高域の簡単なEQ。つまり、ドンシャリ作成用とも言えるので、ためらいもあったけど、グライコやパライコ以上に簡単で的確でもあり、ちょっとした変化を望むなら、まずこれ、という点では便利でしょう。
音質変化もスムーズで、なかなか良いです。しかし、高低を若干上げた状態は、オフと切り換えると直さら良く聞えるかもしれませんが、派手な濁りを生んでいるわけなので、的確な判断が大事です。 PS:高域を落とした音は、フィルターカットで得られる音とは違います。
(2008-4、配布終了)
18band Graphic
Equalizer。帯域のバランスは18バンドぐらいが操作しやすいです。重低域のカットや、中域の微妙なバランス調整にも良く、お薦めです。
試聴テストは、4khzをわざと強調して、EQの効きを試します。ドラムのスネアが、だいたい、この領域。最初に原音、次にEQ18、その次に某15バンドEQ(SynthEdit製)、原音、となります。
EQは、それぞれの帯域角度で、なだらか(左右の帯域に影響)か、するどく(その帯域に限定)上下するかで、音は変わってきます。
EQ18(ver1)は、なだらかに変化するので、より自然なカーブと言えます。EQ18(ver2)は、上のツマミで山の形を変えることができるので、より、ピークを強調した音の設定も可能となります。左一杯にした状態でver1と同等の変化になるようです。
EQは高機能になれば、こういったピーク操作や、バンド数を多くするなど、それはそれで便利なのですが、操作するポイントが多くなればなるほど、作業が多くなり目的の音を見失う事にもなりかねません。そういった点で、このEQ(ver1)は、シンプルでありながら、的確にポイントを探せるので、サウンド全体の修正には向いています。逆に、個別に音のポイントを強調したい場合は、NonameEQのようなものが向いています。
的確に目的の帯域を掴むという点で、これに勝るものはありません。
TEST-SOUND